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カラーセラピーのはじまり
色彩療法を意味するカラーセラピー。実は、色を使った治療は最近の話ではなく、古代エジプトの時代より用いられていました。そして、エジプトだけでなく中国やインドでも医学の一部や薬にも利用されていました。
例えば、古代エジプトを例にとってみると、色は病気の治療を行なうための部屋に活用されました。どうやって活用したかというと、病室の床には草の色を使ったり、窓辺につったクリスタルの宝石に太陽の光が当たるようにしたりなどの方法です。その他、空の青色も頻繁に使用されていました。
一度は消えかけた色彩療法
そんな古くから用いられていた色彩による治療ですが、実は一度歴史から消え去ろうともしていました。それは、ギリシャ人によって色はただの科学であって、色に人間の病気を治癒できることはないという学問を説いたからです。
しかし、幸いなことに中国最古の医学書「黄帝内経」に色による診断についての記述があり、現在に至るまでその色が持つ治療効果が受け継がれることができました。
ちなみに、「黄帝内経」にはどんなことが書かれていたのかというと、顔色を五色の色でみて、どんな病気にかかっているのか、体のどの部分が悪いのかということを診断していたということについてです。五色を、赤の場合は心、青の場合は肝、白の場合は肺のように、人間の五つの臓器に結びつけて考えられていました。
もしこの中国の医学書が発見されていなければ、色彩療法は今のように存在していなかったかもしれません。
色彩心理学の先駆けとなったゲーテの色彩論
一度は消えかけた色彩療法ですが、中国の医学書の発見により様々な学者によってその効果や原理などが研究されてきました。
1810年に、詩人として有名なゲーテは「色彩論」という著書を出版しています。彼は、自然現象についての理解を深めるために科学者としても色々研究していたのです。その一つが「色」についてでした。
かれは、著書の中で色を2つのグループに分けました。
- 幸福感をあらわす色
- 悲しみをあらわす色
幸福感をあらわす色として、赤・オレンジ・黄色などの暖色系。そして、悲しみをあらわす色として青・緑・紫の寒色系の2つのグループです。そして、この考えは後の色彩心理学や知覚心理学に影響していると言われています。
その他、エドウィン・バビット博士は、青色には気持ちを落ち着かせる効果が、赤色には刺激を与える効果があるということを科学的に証明し、1878年に「光と色の原理」の自身の著書の中で説明されています。また、彼以外にも多くの科学者によって、色の持つ心理効果などが研究されてきています。
現代のカラーセラピー
古代エジプトより少しずつ発展してきた色彩療法や色彩心理学は、現在では多くの方や多方面で活用されるようになってきました。
そして、現代で最も一般的なカラーセラピーは、1980年代にイギリス発祥したオーラソーマと呼ばれるカラーボトルによる色彩療法です。上下二層の色に分かれた110本のカラーボトルを使って、直感に従って選んだ4本のカラーボトルを元にセラピストがそのクライアントの潜在意識にあるメッセージを読み解いていきます。
オーラソーマ以外にも、TCカラーセラピーやオーラライト、アヴァターラなどと呼ばれるそれぞれ独自のカラーボトルを使ったカラーセラピーがあります。また、カラーボトル以外にはカラーカードを使ったセラピーもあります。
カラーセラピーを実際に体験してみよう!
このようにして、色を使った療法「カラーセラピー」は、私たちの心身の健康のバランスを保つために日本を含め世界各国で幅広く活用されています。様々な種類のカラーセラピーがありますので、是非これを機にあなたが興味のあるものを試してみてはいかがでしょうか。