インテリアと色彩

目次

カラーコーディネーションって何だろう?

カラーコーディネーションとは「どんな色を、どこに、どのくらいの分量で使うか」といった計画のことを言います。人は視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感をフルに活動させて生きていますが、五感のうち視覚がほとんどのウエイトを占めています。例えば、初対面の人と会った時の第一印象は見た目でほぼ決まると言われています。つまり、目から入った情報は好き嫌い、良い悪いなどの判断材料もしくは感情へとつながっているということです。

視覚にウエイトをおいている人間にとって色彩はとても重要な役割を果たしていると言えます。

色彩を活かしたセンスの良い住居、センスの良いファッションを知っている人はきっと周囲の人から好印象を持たれていることでしょう。今回のテーマであるインテリアに限らず、様々な生活環境において自分のカラーコーディネーションを駆使し、自分だけのものを作れたら良いですよね。

そのためには色彩それぞれの特徴をしっかりと理解しておかなければなりません!

まずは住環境におけるインテリアのカラーコーディネ―ションをおさえていきましょう。


 

そもそもインテリアってなに?

先ほどから何度もインテリアという言葉が出てきていますが、まずはその定義について学びましょう。

生活環境は、生活者である「ヒト」、生活行為である「コト」、生活行為を支えている「モノ」の三つが関係しあって成り立っています。その中でインテリアとは生活者が快適な生活行為を行うために一番身近な「モノ」としての空間のことをいいます。

「インテリアをデザインする」と一言で言われても、それって家具を置くことだったり、室内を雑貨や壁紙で飾ってみることだったりを連想しませんか?本当の意味はそんな限定されたものではなく、もっと広い概念です。

ずばり、「インテリアをデザインする」とは、住む人の暮らしを快適なものにする空間を計画し、それを実現のものとするということです。

快適な空間を計画するための要因には以下の6つの要素が存在します。

  1. 人的要因 ・・・家族構成・年齢・住人の好み・ライフスタイルなど。インテリアの核となる要因。
  2. 環境的要因・・・立地条件・敷地条件・日照条件・眺望など。
  3. 建築的要因・・・住宅構造と工法・空間の配置・戸建や集合住宅の違いなど。空間を決定づける要因。
  4. 機能的要因・・・間取りや家具の配置・住宅設備・機器など。物理的な快適性や機能性に関する要因。
  5. 感覚的要因・・・形態・スタイル・色彩・素材・照明など。空間のイメージを決定づける要因。
  6. 経済的要因・・・初期投資・ランニングコスト・メンテナンスコストなど。経済面で考慮すべき要因。

これら6つの要因をそれぞれ検討してインテリアを計画しています。


 

インテリアコーディネーションの必要性

日本古来からのインテリアというと畳やふすま、障子、囲炉裏などが伝統的でした。個性を追及するというよりは自然との共存を重要視していた気がします。しかし、現代になると欧米風の住宅が好まれるようになり、個性をインテリアで表現しようとする人たちが増えました。このような状況の中で人々は快適な空間を計画するインテリアコーディネーションは注目されるようになり、さらにインテリアコーディネーションの一環として行われるカラーコーディネーションにも比重が置かれるようになりました。

その必要性について具体例をあげながら考えてみましょう……例えば寝室。寝室は当たり前ですが寝るための部屋ですから、色がごちゃごちゃとしておらず、心理的な刺激も少ない色が良いでしょう。また、家族が集まるリビングやダイニングとは違い、その部屋を使う人の個人空間ですのでその人の好みの色彩を反映させた空間が適切です。

「色の心理的効果について」でも述べましたが、色の持つイメージは人の感情や行動に影響を与えます。その部屋を使う人に合った色彩をインテリアに取り入れることでその人の感情や行動も変わります。快適な空間をつくるためには今後もインテリアコーディネーションがますます必要とされることでしょう。

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